〜右から左へ〜



最近、というか結構前からだが、街中のヘンな看板や標識などを指摘して笑う、というものがある。
「VOW」とか、「タモリ倶楽部」の「東京トワイライトゾーン」(古い!)の類のものである。 私は、このテのものが笑いのつぼに入る性分なので、大学の頃はVOWの本をよく買っていた(全て古本屋に売ってしまったが)。
そのテのもののネタの大半は、おそらく作成者は真面目に、一生懸命に作ったはずの看板が、ちょっと一般人の感覚とずれていて 意図したものと違う面白いものになってしまった、というパターンであろう。
「面白さを狙っていない所に生まれるどうしようもない面白さ」が、かえって面白い。
私の苦手なものの1つにダジャレがあるのだが、それはこれらと対極をなしている。

そんな私が以前、高速道路を車で走っていた時のこと。私は、前方を走る白いライトバンを追い抜こうと、右車線へと車線変更した。 ライトバンを追い抜きざまに、なにげに左側の車をチラッと見たら、車体に、
「のもけつお」
と書いてあった。えっ、「野茂ケツ雄」!?と、トルネード旋風を巻き起こしていた(当時)、 野茂の見事なヒップラインあたりを想像して、このワゴンは何の宣伝カー?と思ってしまった。
賢明な方はおわかりであろう。実はこれ、「おつけもの」屋さんのワゴン車なのである。 車体の右側(運転席側)には右から左へと文字が書かれている。 私は瞬間的・習慣的に左側、つまり後ろから読んでしまったのである。
しかし、車体に書く日本語看板の右側面は、何故に右から左へと文字を書くのだろう。 左右対称の美、とはいっても、両側同時に見るわけではないし、今どき右から左へと読むことに抵抗がない人なんて、 太平洋戦争を体験したような世代以上でしょう。あれ、何とかならないのかなあ。
「のもけつお」をいきなり眼前にしたらかなりの衝撃度ですよ。

2005.1.24.